左:伊藤璋子さん 右:戸倉文子さん |
Q1 この度は研究会30年間皆勤賞おめでとうございます! 30年の研究会を振り返って、どんなお気持ちですか? 二人:ありがとうございます。 戸倉:門下教授の先生に「そろそろ研究会へ行ってみない?」と言われ 30年が経ち、最初はあがってしまいましたが、諸先輩・仲間に 支えられ、救われ歩んできた道程で、感謝しています。 伊藤:戸倉さんに言われて「あら、もう30年?」といった感じでした。 あっという間に時が流れたのは、研究会に気負いなく楽しく参加 することが出来たからだと思っています。とても嬉しく思います。 Q2 研究会に参加されてみていかがですか? 伊藤:門下内だけですと「井の中の蛙~」になりがちですが、沢山の 作品と出会い、広がりといいますか、段階こそあれ「これで良し」 という終わなき奥深さを感じ、研究会を楽しんでいます。 戸倉:夫や子供、日常の忙しなさの中にあって、研究会は、お稽古とは 一味違い、いけばなに没頭できる、夢中になれる瞬間でした。 また、それが支えとなって今の日常も成り立ってます。 |
戸倉文子さん |
Q3 「いけばな」を続けてこられて良かったことは何ですか? 伊藤:日常、嫌なことがあっても、いけばな(花)に救われるんですね。 365日花がない生活はないので、必ず救われるのが良いですね。 戸倉:いけばなをとおして、友人や仲間が出来たことが良かったです。 何よりも、いけばなが生きがいになっていることが嬉しいです。 Q4 門下〔親〕教授の先生はどんな方でしたか? 戸倉:ご近所だったので、失礼なようですが、姉妹のように親しくさせて いただきました。しかし、決して慣れることなく師弟の一線を 礼をもって守ることが出来る素敵な先生でした。 伊藤:大変厳しい先生でしたが、面倒見の良い気配りのある先生でした。 門弟の一人ひとりをよく見てらして、私の性格などを尊重してくだ さるなど、今では、厳しさは優しさの表現法だったのかと思います。 |
伊藤璋子さん |
Q5 お二人はいけばな展に出品されることが多いかと思いますが、 花展に出品するにあたって、大切にされていること等ありますか? 伊藤:何よりも健康、体調を第一に整えます。そして、襟元を正す 緊張感、古流・大觀流の看板を背負っているんだという意識を持ち、 お稽古・研究会の成果を自然に表現できるように心がけています。 戸倉:水ぎわ・線・さばきが綺麗な古流・大觀流だからこそ、それを 損なわないように心がけています。又、良い意味で、他流にも その特徴は影響を与えるので、大切にしています。 Q6 「いけばな」をこれからも続けてゆきたいですか? 戸倉:いけばなを取ったら何もないです(笑)。いけばながなかったらと 思う程です。生きがいですから、健康である限り続けたいです。 伊藤:これだけ好きなものは他に考えられません。友人に「迷わずできる ものがあることは幸せね」といわれますが、本当に好きなんですね。 山手線で降りる駅がわからなくならない限り続けます(笑)。 |
お二人で仲良く! |
Q7 研究会30年皆勤を節目としての目標はありますか?。 戸倉:今まで10年単位の目標でしたが、あっという間の30年。 いけばなによって友人・仲間と出会い、社会との連携を育み、 いけばなと共に歩んだ私が此処にあります。 それらを日々より大切にしてゆけたらと思っています。 伊藤:大きな目標はありませんが、現在ご高齢で現役の先生方が 沢山いらっしゃいます。その先生方に少しでも近づいてゆけるよう、 また、先ほどから申しあげているように 「楽しく」続けてゆきたいというのが目標です。 Q8 「いけばな」の魅力、「いけばな」を始めようとされる方へのメッセージを! 伊藤:いけばなは見るのも楽しいですが、自分でいけ、表現する 楽しさとの出会いは格別です。古流・大觀流のいけばなは、型の中に 心の微細な部分まで表現できる(されてしまう?)いけばなです。 戸倉:いけばな(花)と接することによって、大袈裟かもしれませんが 自然・命・文化・心に意識が向くようになります。先ずは難しく考えず、 いけばな(花)に触れることから始めてみてはどうでしょう。 |
理瞳のコメント | 昨年に続き、研究会30年皆勤賞がお二人も誕生したことは、本当に喜ばしく嬉しく思います。 伊藤さん・戸倉さんは仲がよく、インタビュー中も互いに顔を見あわせながら、終始笑顔でお話をしてくださいました。 また上記以外に、好きで、やりたいと思っていることであれば苦しくとも継続できることや、結果(成績)ばかりを追い求める ことなくプロセスを楽しむ余裕を持つこと、素直な気持ちで研究会に参加することの大切さや、自らが自発的に働きかける ことの大切さのお話を伺うことができました。 |